決算日にエントリーする手法の期待値の検証です。
この手法では決算によるギャップアップを狙い、短期で大きなリターンの可能性があります。
財務指標によるフィルター・ロスカットを加えたバージョンも検証しています。
シストレソフト「イザナミ」を使い、過去1年のデータをもとに検証しています。
決算エントリー
決算日寄付でのエントリーの検証です。
この段階では決算日だけを基準として仕掛け・手仕舞いを行い、業績などは一切考慮せずに決算での価格変動の影響を検証します。
イザナミによる決算エントリーについてはイザナミ公式を参考にしています。
https://note.com/izanami_k/n/n89314738effe
【仕掛け条件】
・本決算日寄付エントリー
【手仕舞い条件】
・保有期間10日以上で成行で決済
【検証設定条件】
・資金500万円
・1銘柄5万~150万の範囲内、50万円に近い額で購入
・ROE高い順で仕掛ける
検証結果(フィルター無し)
バックテスト

バックテスト段階の全シグナル結果です。
合計624回のエントリーで勝率は63%、決算時に仕掛けて10日後に手仕舞えば6割は勝てることになります。
また1取引あたりの利益・損失比率も利益の方が高く、勝率と合わせると大きな利益が見込ます。
あくまで直近1年の結果ではありますが、決算時エントリーする手法は十分検討する価値がありそうです。
資金設定検証(フィルター無し)
では実際に資金を設定した場合の運用結果のシミュレートです。
運用条件は上記の通り


運用検証結果も利益率約30%、最大ドローダウン3.8%と悪くない結果となりました。
しかし決算だからといって無暗やたらに仕掛けるのには不安がありますので、業績にフィルターを少しかけ、ロスカットを設定してみます。
検証結果(フィルターあり)
【追加条件:仕掛け】
・ROE10%以上
【追加条件:手仕舞い】
・建値-10%でロスカット
バックテスト

バックテスト段階での結果は以上になります。
取引数は半数程度に、財務フィルターを入れたことで利益率が若干上昇、ロスカットを入れたことで勝率は下がりましたが大きな損失が減ったかと思います。運用結果を見てみましょう。
資金設定検証(フィルターあり)


取引数はフィルターなしに比べて-11回、バックテスト程の大きな変化はありません。
決算時期がかぶるため実際にエントリーできる数に限りためと思われます。
最終利益自体には大きな変化はありませんが、平均利益を高めて最大DDを減らすことができました。
実際運用する上ではロスカットを設置したいところですのでこちらが現実的かなと思います。
実際の運用において
今回検証したのは過去1年の結果であり、未来においても同様であるとはかぎりません。
今回取引した銘柄ほとんどがプライム銘柄であったため、日経平均が上昇している相場の影響もあると思います。

過去データを増やして検証したいところですが、今回使用したデータではその情報が足りなかったためまたデータを入手次第検証したいと思います。
しかしながら、以上の点を踏まえた上でも決算と値動きの関係は大きく、また優位性も期待できるものであると感じられる検証結果となりました。ファンダ的条件を精査することでより優位性を高めることができるかとおもいます。
決算エントリーは保有期間が短いことから資金効率の面でメリットがあります。
値動きが大きいので決算内容次第では大きな損失になる可能性もありますが、情報を精査する技術が身に付けば十分に使える手法ではないかなと思います。